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信行体験談

蘇生のご利益をいただく

2015.07.31

第4連合 尼崎第3教区 梯 敏久(かけはし としひさ)
P1080068

 平成26年3月21日午前7時30分頃の数十分間の出来事でした。その日私は夜勤を終え帰宅し、朝食をとりほっと一息付きテレビを見ておりました。突然ドンと大きな物が倒れたような音が1階から響き、次の瞬間「お父さん、勝哉(かつや)が、勝哉が」と聞いたことのない妻の悲痛な叫び声が耳を打ちました。すかさず1階へと階段を駈け降りると、そこには洗面所の前で倒れている息子の姿がありました。

 その様子は、白目を向き天を仰ぎ前身けいれんを起こし息も絶え絶えでした。妻にはすぐに119番通報させ玄関先で救急車が来るまで待機させ、私は息子を左腕で抱きかかえ幾度となく息子の名前を大きくもなく小さくもなく、今まで発したことのない声で叫びました。しかし、息子は何も答えず、為すすべもありませんでした。息子の呼吸は次第に弱まり、後には大きく息を吐き全身のけいれんが止まり動かなくなりました。その時、私は息子の死を覚悟し息子の口元に右手をあて呼吸を確認しました。息は止まっていました。頸動脈、腕の脈を計りました。反応はありません。左胸に私の右耳をあてがいましたが心音が聞こえてきません。すべての機能が完全停止した状態でした。その間数秒。私はすぐに息子にまたがり心肺蘇生を行い何度も何度も心臓マッサージを繰り返していました。その処置を行っている最中、「これで息子の人生も終わるのか、これも定業なのか」と思い、何とも言えない複雑な思いでしたが、知らず知らずのうちに「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」と御題目を口唱させていただいている自分に気がつきました。そのことに気づいた瞬間、息子が大きく息を吸い込み目を見開き息を吹き返しました。息子は自分の身に何が起きたのか当然、理解できず放心状態でしたが、私の問いかけにゆっくりと首を縦に振りうなずきました。

 やがて救急隊員が駆けつけ近くの救急病院へと搬送されすぐにMRI検査、血液検査、心臓検査、薬の投与と処置されました。医師にはその時の状態を事細かく説明しました。

 検査の結果は一応、脳と心臓には何の変化も見られず、血液検査では確かにけいれんを起こした事は判明していました。結果、医師は「てんかん」と診断を下しましたが、あまりにもこの症状がまれなこともあり、この症状では心肺停止が考えられないということもあり専門医を紹介され、後日、別の病院で精密検査を行うこととなりました。

 私はその病院でも専門医にその時の息子の症状を説明すると、初めてのこの症状で「てんかん」と安易に診断することはできないという事でした。その日を境に脳神経、心臓の検査を一ヵ月、三ヵ月、半年、一年と計4回する事となりましたが、検査結果は正常な身体という最終診断が下されました。医師自身もこの症例を学会に照らし合わせても過去に数例しかないということでした。誠に息子の命というものをお助けいただいた御宝前様、御経力のすばらしさを改めて感得させていただきました。

 最近思いますのは、この事をきっかけに家族全員が毎日御宝前に向かい、御題目口唱に励んでいる姿こそが本当のご利益(りやく)ではないかということです。特に息子は、記憶もなく何も分からない状態でしたが、再び菩薩(ぼさつ)行(ぎよう)がさせていただけるチャンスを御宝前からいただいたありがたさを彼なりに感得している様に思えます。

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